任意整理を検討するとき、「弁護士や司法書士に依頼すると、どのくらい費用がかかるのだろう」と気になることがあります。
任意整理にかかる費用は、依頼する専門家や債権者の数、手続きの内容などによって異なります。
また、費用といっても、相談料、着手金、実費、報酬金など、いくつかの項目があります。依頼先によって料金体系も異なるため、「任意整理なら必ず○万円」と一律に考えることはできません。
この記事では、任意整理を弁護士や認定司法書士などに依頼する場合に、どのような費用が発生するのか、費用を確認するときのポイントや、支払いが難しい場合に検討できる制度について解説します。
任意整理にはどのような費用がかかる?
任意整理を専門家に依頼する場合、主に次のような費用があります。
・相談料
・着手金
・実費
・報酬金
・その他の手数料など
ただし、すべての依頼先でこれらの費用が発生するとは限りません。
相談料を無料としている事務所もあれば、着手金や報酬金の設定も事務所によって異なります。
そのため、任意整理を依頼するときは、単純に「総額が安いか」だけを見るのではなく、何の費用が含まれているのかを確認することが大切です。
任意整理の相談料はいくら?
弁護士や司法書士に任意整理について相談する場合、相談料が必要になることがあります。
一方で、債務整理について無料相談を受け付けている法律事務所などもあります。
無料相談だからといって、その後の任意整理の依頼費用まで無料になるとは限りません。
相談料が無料かどうかだけでなく、依頼した場合にどのような費用が発生するのかまで確認しておきましょう。
また、法テラスでは、一定の条件を満たす人を対象に無料法律相談を実施しています。
利用できる条件や手続きがあるため、自分が対象になるかどうかを確認してください。
任意整理の着手金とは?
着手金とは、弁護士や司法書士に任意整理を依頼するときに支払う費用です。
任意整理では、債権者との交渉などを依頼することになるため、その業務に対する費用として着手金が設定されている場合があります。
金額は依頼先や債権者の数などによって異なります。
また、着手金の支払い方法について、一括払いだけでなく分割払いに対応している場合もあります。
依頼する前に、金額だけでなく支払い方法についても確認しておくとよいでしょう。
任意整理の実費とは?
実費とは、任意整理の手続きを進めるために実際に発生する費用です。
具体的な内容は依頼先によって異なりますが、郵送費などの事務処理に必要な費用が含まれる場合があります。
法テラスの費用案内でも、任意整理について着手金とは別に実費が設定されています。
ただし、法テラスの基準と一般の法律事務所・司法書士事務所の料金体系は同じではありません。
そのため、依頼する際には「実費として何が含まれるのか」を確認しておきましょう。
任意整理の報酬金とは?
報酬金は、任意整理の手続きや交渉の結果などに応じて発生する費用です。
ただし、任意整理では必ず報酬金が発生するとは限りません。
例えば、法テラスの任意整理事件では、原則として報酬金は発生しないとされている一方、過払金を回収できた場合には報酬金が発生する場合があります。
また、一般の弁護士・司法書士事務所では、それぞれ異なる料金体系を採用していることがあります。
「着手金が安いから総額も安い」とは限らないため、報酬金を含めた総額を確認することが大切です。
任意整理の費用は債権者の数によって変わることがある
任意整理の費用を考えるときに重要なのが、債権者の数です。
例えば、3社から借入れがある場合と、10社から借入れがある場合では、それぞれの債権者との交渉が必要になるため、費用が異なることがあります。
法テラスの任意整理事件の費用目安でも、債権者数が増えるほど着手金や実費の合計額が変わる仕組みになっています。
そのため、「任意整理の費用はいくら?」と考えるときは、借金の総額だけでなく、何社から借りているのかも確認しておきましょう。
任意整理の費用はいくらくらい?
任意整理の費用は依頼先によって異なるため、サイト上の料金だけを見て一律に判断することはできません。
例えば法テラスでは、任意整理について債権者数に応じた着手金と実費の目安を公表しています。
現在の法テラスの案内では、債権者1社の場合は着手金33,000円、実費10,000円、合計43,000円が目安とされています。
5社の場合は着手金110,000円、実費25,000円、合計135,000円が目安です。
ただし、これは法テラスの費用立替制度における基準であり、一般の法律事務所や司法書士事務所の料金が同じになるという意味ではありません。
また、事件の内容などによって実際の費用が変わる場合があります。
そのため、具体的な金額を知りたい場合は、依頼を検討している事務所に、自分の債権者数や借金の状況を伝えたうえで確認することが重要です。
弁護士と司法書士で任意整理の費用は違う?
弁護士と司法書士では、業務の範囲や料金体系が異なる場合があります。
そのため、「弁護士だから高い」「司法書士だから安い」と単純に決めることはできません。
依頼先を選ぶときは、費用だけでなく、
・どこまで手続きを依頼できるのか
・費用の総額はいくらになるのか
・分割払いができるのか
・追加費用が発生する可能性があるのか
・自分の借金の状況に対応できるのか
などを確認することが大切です。
特に司法書士については、取り扱える事件の範囲に関する制度上の制限があるため、自分の借金の状況に対応できるかを事前に確認しましょう。
任意整理の費用を分割払いできる?
任意整理の費用を一括で支払うことが難しい場合、分割払いに対応している事務所もあります。
ただし、すべての事務所が同じ条件で分割払いに対応しているわけではありません。
分割回数、毎月の支払額、支払い開始時期なども事務所によって異なるため、依頼前に確認しておきましょう。
また、任意整理後は債権者への返済も続くことになるため、専門家への費用と債権者への返済を合わせて、毎月の家計で無理なく支払えるかを考えることが重要です。
任意整理の費用が払えない場合はどうする?
「借金の返済が苦しいのに、任意整理の費用まで用意できない」と感じる人もいるでしょう。
その場合には、法テラスの民事法律扶助制度など、費用負担を軽くするための制度を確認する方法があります。
法テラスでは、一定の条件を満たす人を対象に、弁護士・司法書士による無料法律相談や、費用の立替えを行っています。
立替え制度を利用した場合は、法テラスが弁護士・司法書士への費用等を立て替え、利用者が後から返済していく仕組みです。
利用には収入や資産などの条件があります。
そのため、費用の準備が難しい場合でも、最初から相談を諦めるのではなく、自分が利用できる制度がないか確認してみましょう。
任意整理の費用を確認するときのチェックポイント
任意整理を依頼する前には、次の点を確認しておきましょう。
1.費用の総額はいくらか
着手金だけではなく、実費、報酬金、その他の費用を含めた総額を確認します。
2.債権者1社あたりいくらか
任意整理では債権者数によって費用が変わる場合があります。
自分の借入先が何社あるのかを確認したうえで、総額を計算しましょう。
3.追加費用は発生するか
途中で追加の費用が発生する可能性があるかを確認しておきます。
4.分割払いができるか
一括で支払うことが難しい場合は、分割払いに対応しているか、毎月いくら支払うことになるのかを確認します。
5.任意整理後の返済額と両立できるか
専門家への費用だけでなく、任意整理後の債権者への返済も考える必要があります。
毎月の収入と生活費を踏まえて、両方の支払いを続けられるか確認しましょう。
任意整理の費用だけで依頼先を決めない
任意整理を依頼するとき、費用は重要な判断材料です。
しかし、「一番安いところに依頼すればよい」と単純に考えるのは避けたほうがよいでしょう。
任意整理では、借入先や借金の状況、保証人の有無、住宅ローンや自動車ローンなど、確認することがいくつもあります。
そのため、費用だけでなく、自分の状況についてきちんと説明を受けられるか、費用の内訳が明確か、必要な業務をどこまで依頼できるのかなども確認することが大切です。
また、依頼する前には、複数の相談先に費用や手続きについて確認する方法もあります。
任意整理について、さらに詳しく調べる
費用について確認したら、自分に関係するテーマも確認しておきましょう。
→「任意整理の手続きの流れをわかりやすく解説」
→「任意整理をすると信用情報はどうなる?登録される情報と影響を解説」
→「任意整理後のクレジットカードはどうなる?利用・申込み・更新を解説」
→「任意整理後にローンは組める?審査への影響と注意点を解説」
→「任意整理は家族に知られる?知られる可能性と注意点を解説」
→「任意整理で持ち家はどうなる?住宅ローンが残っている場合も解説」
→「任意整理をすると車はどうなる?ローンが残っている場合も解説」
→「任意整理すると保証人・連帯保証人はどうなる?」
まとめ
任意整理の費用は、依頼する専門家や債権者の数、依頼する業務の内容などによって異なります。
着手金や実費だけでなく、報酬金やその他の費用が発生する場合もあるため、依頼する前に総額と内訳を確認することが大切です。
また、費用を一括で支払うことが難しい場合には、分割払いに対応している事務所や、一定の条件を満たす人が利用できる法テラスの制度などを確認する方法があります。
任意整理を検討するときは、専門家への費用だけを見るのではなく、任意整理後の返済額も含めて、毎月の家計で無理なく支払えるかを考えておきましょう。
費用や手続きについて分からない点がある場合は、依頼を検討している専門家に、費用の総額、内訳、支払い方法、追加費用の有無などを確認してから依頼することが大切です。
任意整理を検討するときは、費用の安さだけで依頼先を決めるのではなく、必要な費用の総額、支払い方法、任意整理後の返済額などを含めて、自分の家計に無理がないかを確認することが大切です。
また、任意整理は費用だけで判断するものではありません。どの借金を対象にするのか、手続きによって返済がどのように変わるのか、信用情報や保証人などにどのような影響が考えられるのかも、あわせて確認しておきましょう。
任意整理について全体像から確認したい方は、こちらをご覧ください。
→ 任意整理とは?仕組み・手続き・費用・注意点をわかりやすく解説